
La Roue Tourangelle
2006年3月19日にトゥレーヌ地方でLa Roue Tourangelleという192kmに渡る自転車レースが行われました。ツール・ド・フランスに日本人チームとして初参戦することを目指す日本人チーム「チーム・バン・サイクリング」が、参加するとことで取材してきました。
Beaumont-en-Véronを13時に出発したレースがTOURSに17時半頃到着するとのことで、17時頃TOURS市のゴール付近で待機。
まずはスポンサーなどのキャラバン隊が続々登場。アンティークの車の展示と兼ねているようで、この後もカッコいいアンティークカーが続々目の前を走りぬける。キャラバン隊たちは選手達が到着するまで観客達を飽きさせないよう、雰囲気を盛り上げる。
その後トゥレーヌであるレース、ということでアコーディオンと民族衣装を身にまとった年配のグループがフォークダンス(?)を踊る。何のどこのクラブかも一切説明無しにいきなり始まり、踊っている人達と酔っ払いのおじさんだけが勝手に盛り上がっているところが、なんともフランスらしい。(笑)
選手達を待つ間、司会者が色々と壇上にて話をしていたのだが、司会者はこのレースに多国籍のチームが参加していること、日本という遠い国まで参加していることをとても喜んでいました。「このレースはね、もはやフランスだけのレースではなくて、国際的なレースになったんですよ!」と。またアジア人が参加していることが珍しいとのことで、日本人チーム「VANG」の選手との会話のエピソードを公開。
その中には「選手にこうもりでも食べているのかって聞いちゃいました。笑」というとっぴな会話まで。(司会者はニヤニヤ笑いながら話をしていたので、日本人がこうもりを食べるとは思ってない様子だが、観客に「どう思います?」と投げかけるような話かけでした。)その直後、周囲のフランス人から興味深々の目で「え、日本人はこうもり食べるの?」と冗談なのか本当の話なのかを聞きたそうな目で見られたのは言うまでもありません。苦笑。
(だいたい、どっからこういう話が出てきたんでしょうか?)
とはいえ、司会者は日本人チームをとても気に入っていたようで、話のあちこちに「日本人の○○選手がねー」と頻繁に出てきていまして、それだけ日本人チームの頑張りが目だっていたということでしょう。(フランスは苦境の中、自分の志を貫こうと頑張る人は、国籍を問わずあたたかく迎え入れる気質があるのを感じます。)
残念ながら日本人チームは3位以内には入らず、ロシアの選手が優勝。(レースの結果はこちらから)しかし、福島康司選手が「premier
coup de coeur(日本語でいうと敢闘賞という感じでしょうか)」を受賞することに!
でも問題が発生。スピーカーで何度呼んでも一向に福島選手は現れない。焦りまくる司会者、そしてつつつとアシスタントが寄ってきて・・・ささやき声で(そんなに大きな会場でもなかったので、ささやき声もまる聞こえ)「どうも日本人チームは帰ってしまったらしいんですが・・・、どうしましょう???」と。次々に減っていく観客と選手達。
「どうする、どうする・・・あああああ!福島選手です!そうそう福島康司選手。あ~まさにシャワーも浴びて、石鹸の香りもして帰るところだったんですね~。ハイハイこれ受け取ってね。写真撮ってねー。質問ある人はナンデモ聞いていいですよ。福島選手はフランス語もよくわかるんですからね~!」と紹介されて福島選手が表彰台で表彰を受けて、写真を撮られていました。
が!後日談でこの表彰台にあがった人は福島選手ではなく、浅田監督ということが判明。 浅田監督からは、「関係者などには笑われてしまった・・」とのコメントを頂きましたが、、その場にいたフランス人は皆、福島選手だと思ってました。
また、獲得した賞は 「当日朝に通過する町の要望で発表された特別賞」だったとのことでそれは単なる「賞」に留まらない、素晴らしい功績だったのだと想像できます。
「日本人チームでのツール・ド・フランス出場」を目標として着々と実力を蓄えているサイクリング・チーム「VANG」。同じくフランスで頑張る全ての日本人と共に是非、その夢を叶えて欲しいものです。 今後の『Team VANG』の益々のご活躍を期待します。
右の写真がその証拠写真と音声です。