ロワール渓谷地方のイベントレポート

ブーデジエー城のトマト祭 8ème Festival de la Tomate

Montlouis-sur-Loire(モンルイ・シュル・ロワール)のシャトーホテルである、Château de la Bourdaisière(ブ-デジエー城 )の今年で8年目になるイベント、トマト祭りに行ってきました。

シャトーホテル・ブーデジエー城
Château de la Bourdaisière は15世紀にフランソワ1世が愛人のために建てたお城で、その後、アンリ4世の愛妾、ガブリエル・デストレのお気に入りの住まいになったお城。現在はプライベートシャトーですが、華やかでエレガントな様々な部屋に泊まれるシャトーホテルになっています。

55へクタールのモンルイの葡萄畑に囲まれたアンボワーズとトゥールの中間に位置し、城の庭園には、19世紀に作られた2ヘクタールの野菜畑があり、トマトだけが600種類以上も植えられており、普段私達がよく目にする品種から非常に珍しい品種まで、様々な色のトマトが、大切に育てられています。

もともとの始まりはお城のプリンスが銀行員時代、趣味で色々な種類のトマトを栽培し始め、その後その趣味が高じてフタンス、及び恐らくヨーロッパ一多くのトマトを栽培する庭へとなり、「色々な種類のトマトを栽培しているお城」として有名になったとのこと。そして更にその噂をききつけた世界中の人がトマトの種を送り続け今に至っているそうです。たかがトマトといえども、様々な歴史があるのです。

世界中でも唯一のユニークなフェスティバル
毎年だいたい9月の2週目に行われるトマト祭(今年は少し変更・・)は世界的にもとてもユニークなイベント。毎年多くの入場者で賑わいます。特に今年は世界中に出回っている650の種類のトマトのほかに、60種のバジルや他の香りのトマトが加わり、約50以上ものビオ(自然農法)食料品や化粧品、商品などを売るお店が出店しています。

お城の門をくぐり、広い庭園を突っ切っていくと、あるわあるわ、トマトの山。まさに祭(笑)。でも、トマトだけではなく、ナチュラルな化粧品(トマトを原料にした化粧品もありました!)や石鹸、他の野菜など本当に沢山のモノが売っているので、それぞれのお店の珍しい商品を見ているだけでもとても楽しい。

中には「Touchez des yeux!(目だけで触ってね!--でも手では触らないでね。)」と書かれた札が置いてあるかごなどもあり、よく見ると、色々な形をしたトマトたち。また各種トマトの説明やトマトジュースやトマトのソテーを売っている店もあり、とりあえずトマトジュースを一杯注文。お店の人はお塩やチリソースもあるよーと、声をかけてくれたけれども何もいれずに飲んでみました。そのお味は・・「・・・・・!!!!美味しい!!!!!」。もう感動するほど美味しかったです。今後トマトにはまりそうな予感。まんまとトマトジュースは買って帰りました。(笑)

トマトからのお願い・・・
その後、ずっと奥まで入っていくとお城の広いトマト畑があり見学することができました。あちこちで庭師の人たちがトマトを摘みながら、見学者たちに色々と説明をしてくれていました。その中に近寄ってよく見てみるとあちこちにかわいらしい看板が。"S'il vous plaît,ne me touchez pas,ne me mangez pas,do not eat me! les tomates"(お願いです。私に触らないで、食べないで、do not eat me!  トマトより)と書いてありました。

単に無造作に注意書きが書かれてあるのではなく、庭の雰囲気を壊さずにさりげない書き方に、見学者達も気を使ってトマトに触ったりしている人はほとんどいないよう。1日中、最後の最後までナチュラルで優雅な気分にさせてくれるイベントでした。 (文=フランス・アクセ/南部真理)