トゥールはフランスを代表するような技術の高い、職人さんやアーティスト、クリエイターの方が多い
街ですが、今回は弊社の事務所すぐ近くにある、漫画のアトリエへ訪問して来ました!

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訪問したのは、Atelier POP(アトリエ・ポップ) さん。

1人1人はイラストレーターや漫画のカラリスト(色付け)としてフリーランスとして仕事をしていて、
お客さんもそれぞれなのだそうですが、仕事場を一緒に共有して必要があればそれぞれ情報交換をしたり
大きな仕事の場合には一緒に共同作業をしたりするそうです。

日本では漫画家さんが居て、アシスタントさん達がそのお手伝いをしているというイメージがあるのですが
フランスではそういった形態は最近流行って来てはいるが、(大きな漫画家さんだとステュディオ、として
しているそうです。)基本は作家さんはストーリーを書き、
それを原画を書く人が原画を書き、その後色付けをする人の所に仕事が廻ってきて・・・と
完全に分業なのが主流なのだそうです。

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フランスでも「アキラ」はとても有名。

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ネーム原稿もあり、どうやって1つの作品として仕上がっていくのかなどの話を伺いました。

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面白かったのは、日本では漫画と言えば読み捨ての文化でマガジンでまず発表するという文化なので
まず白黒で紙の質も悪く、手軽に買える値段で漫画が買えますが、フランスではアートの域まで達しているため
本はフルカラーで、しっかりと装丁された本となり、コレクション用として買う人が多いのだそうです。

また日本の漫画がフランスで入って来たいきさつも聞いたのですが、
70年代にあるフランス人が日本の漫画、アニメを輸入しようとした所、「日本のアニメは暴力的だ!」という事で輸入禁止になったのだとか。
勿論日本には漫画、アニメと言っても青年向け、少年向け、少女向け、と結構カテゴリーわけされているので
ある1つの漫画をとって、「日本の全ての漫画は暴力的である」と定義づけるのはナンセンスなわけですが
これはフランスの漫画は特にカテゴリー分けという物がなく、全ての年代向けに作られている事からによる
勘違いだったという事です。

そして80年代の後半からやっと日本の漫画やアニメがフランスに入りだしたとの事ですが、
非常に面白かったおは、少しでも暴力的なシーンや主人公がアルコールばっかり飲んでいるシーンや
性的な表現を含むシーンなどはカットされたり、全く異なる台詞に変えられてフランスでは放送されて
いたんですって。

例えば、主人公が女性好きで、セクシャルな台詞なども多い「シティハンター」。

フランスでは場合によっては「そうだ、今晩はベジタリアンのレストランへ行こう!」とか
アルコールではなくて「レモナードを飲もう!」という風に変えられていたので
視ているフランス人も「???」と思う程脈絡のない台詞に置き換えられていたという事。

漫画ひとつにとっても国民性やそれぞれの文化や社会背景が関係してくるんだなあ、と思った
エピソードでした。

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