ヴァロンセ城を訪問してきました。
トゥールから車で1時間ほどでした。街中は回らなかったけれど、近くにバーすら見当たらない、かなり静かで、何もなさそうな小さな街のようでした。
ヴァランセ城

そんな街にででん、と存在するヴァロンセ城。周囲に、景色を壊すものがないだけに、お城の壮大さと優雅さが際立ちます。
到着したのは、まだまだ明るい20時頃でした。何故、こんな遅い時間に古城めぐり?かというと、今回の目的は”La visite aux chandelles“これは、ヴァロンセ城で9月まで行われているイベントプログラムのひとつ。約2000個のろうそくが、日が沈んだ後の、ヴァロンセ城と庭園を飾り立てる、というもの。

私たちが着いた時、どうやら中は準備完了していなかったようで、しばし開門を待つことに。といっても、すぐ正面には美しいイギリス庭園と、ルネッサンス様式の美しいお城が柵を通して、全貌をお目見えしているので、「待て」を命じられた犬状態。
15分ほど経過すると、ルネッサンス時代の衣装を身に着けた方々が次々に登場。(どうやら、衣装を着て楽しむ趣味のおばちゃま、おじさま
の集まった団体が協力していたようです。)ルネッサンス時代にタイムスリップさせてくれる、デモンストレーションのような感じ。

ヴァランセ城でルネッサンス時代の衣装をまとったコメディアン達

彼らの、庭園散策タイムが終わると、いよいよ一般客へ開門。自然豊かで、広々して気持ちの良い外の景色を堪能した後は、お城へ。

ガイドカセットを入手し、見学スタート。
ガイドカセットには、1~3階までの、全ての部屋にまつわる説明が入っています。「より詳しく知りたい場合は・・・を押してください。」と
いうガイダンスに従って、全てを聞くと、このお城の歴史や伝統をくまなく知ることができます。(当然、時間はかかりますが。)
部屋の内装や装飾品、各部屋の利用者、当時の政治背景、他国との関係について…など、興味深い点をついています。
タレーラン外相をはじめ、数年前の世界史授業で学び、記憶の片隅に残っていた人名や歴史的事件の名前が次々と出てきて、「実際ここに彼らがいた」という事実に、何だか圧倒感すら覚えました。
また、この夜は、最初に庭園を散歩していた衣装をまとった方々が、城内で当時の様子を再現するべく、各部屋で待機しており、アトラクション気分で見学出来て面白かったです。
ヴァランセ城内でピアノ演奏(をしているように見せかける役者)

さて、ガイドカセットの全説明を堪能した私が城から出たころ(11時頃だったでしょうか)、外は既に真っ暗。たくさんのろうそくが、お城
や、庭園の足元にきらきら灯り、2時間前とはまた違った美しさ。煌くろうそくに案内されて、庭園を散歩すると、何とも贅沢な気分になれます。
この夜は、運の良いことに、プライベート小劇場が、特別に一般公開されていました。客席20程の小さな劇場ですが、こちらもルネッサンス様式、可愛らしいテアトル。(また、リクエストがあったのでしょうか、例の衣装を着た方々による短幕の演劇もやっていました。)
当時のままの姿を残す、テアトル

ゆっくりと優雅に、夜のヴァロンセ城見学を満喫し、お城を出たのは結局帰路についたのは深夜過ぎ。眠気の辛さは多少あったけれど、ヴァロンセ城の高級な雰囲気はすごく気に入りました。

また、イギリス庭園の正面には素敵なレストランがあり、今回は残念ながら入れなかったけれど、非常によさげでした。

場所的に少し悪コンディションだからといって、敬遠すべからず!です。

蝋燭の灯に包まれるヴァランセ城