THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
フランス語では
L’Etrange histoire de Benjamin Button
を観ました。
ずっと観たかった映画ですが、ふと思い出してDVDを衝動的に借りてきました。
友人から「ブラッド・ピッドが老人で生まれて、若返る映画」(単純すぎ。笑)しか聞いてなくて
詳しい内容とかまったく知らなかったのですが、これがまた
最近悩んでいたテーマとぴったりで、びっくり!
とても素晴らしい映画でした。
———- 公式サイトより ———-
80 歳で生まれ、若返っていく
数奇な人生を生きた、ある男の物語。
第一次世界大戦末期の1918 年にニューオーリンズで始まり、21 世紀へと続く
彼の人生は、たとえようもないほど不思議なもの。“普通”とは言い難い彼は、
出会った人々や場所を心に刻み、愛と出会い、愛を失い、生の喜びと死の悲しみ
に震えながら、壮大な旅を続ける。
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ただ、日本語の解説にあるように「壮大な旅」をするという言葉から冒険映画と思ったりすると、がっかりするかも・・?です。
アクションや冒険を期待してはいけず、どちらかというと「心の旅」ですね。
またブラッド・ピッドが老人から若返る主人公を演じるのですが、その設定から今までにない落ち着きのある役どころでとても味のある演技を見せます。
ケイト・ブランシェットと共に、その美しい事、美しい事・・。
彼らの若さゆえの美しさ、年齢と様々な経験を経たからこその美しさを観させてくれる所が特に必見です。
今までの若々しくエネルギッシュな彼を期待すると、多くの日本の映画レビューにあるような「良い話なんだけど長い・・退屈」ていう感想になるのかなあ。
私は2時間半という普通なら「長い」と感じる時間でも、全く長くは感じませんでした。
あらゆにシーン毎に、色々な人生での教訓や励まされる事、美しい表現などが盛り込まれていたから。
あと英語の発音で言うと主人公の名前のBenjamin Button は「ベンジャミン・バトン」なのかもしれませんが、
このバトンは「ボタン」と訳して欲しかったなあと個人的に思いました。
映画を観た人なら、この意味がわかるはず。
人生はボタンのようなもので、ひとつひとつかけていくもの。
多くの人は、外見でかなりの部分を勝手に判断してしまうけれども、常に「自分は自分」なのに・・。
○歳だから、こうしなきゃ、とかこうあるべき、とかナンセンス。
案外常識って、意味の無いもの・・・そして
大事なのは、いかに自分がどうしたいのか、どうありたいのか。
映画の中の下記の会話が今でもかなり印象に残っています。
Daisy : Est-ce que tu m’aimeras encore quand je serais vieille et moche ?
(デイジー「私が年老いて醜くなっても、あなたは私の事を愛しているかしら?」)
Benjamin Button : Est-ce que tu m’aimeras encore quand je serais jeune, et que j’aurais de l’acné ? Ou si je fais pipi au lit ?
(ベンジャミン「僕が若くなって、ニキビができても、おねしょするようになっても君は僕の事を愛している
だろうか?」)
人生を、生き方を、人を愛するということを、自然にわかりやすく考えさせてくれる映画です。
まだこの映画を観ていない方は、是非!