7月12日にマクロン大統領が演説して、これからワクチン接種の義務化が進められると発表され、
本日7月21日より50名以上が集まる娯楽及び文化施設で、12歳以上の者に対し、ワクチン接種証明か陰性証明の提示が求められる事となりました。
基本的に接種義務なのは医療従事者のみと言いつつも、
ワクチンを接種していないと、かなりの制限がかかってくる為、
全ての人対象にほぼ義務になりつつあると言っても過言ではない感じです。
(多くの商業施設や長距離列車に乗車の際には接種済み証明が必要、もしくはその都度直前の有料のPCR検査)
「自由の制限」「義務」という言葉に非常に敏感なフランス人。
演説直後から「マクロンは独裁者!」「騙されている!」「洗脳だ!」「非人道的行為!」との批判が絶えず
フランス全国でデモが繰り広げられています。
また義務を徹底する為に、ワクチン未接種者、もしくは48時間以内のPCR検査の陰性証明ができていない人を
受け入れたレストランなどに対して最高45,000ユーロ(日本円で約585万円)の罰金を課す、
ワクチン接種を拒否する医療従事者は勤務もできなければ給料も支払われない、という条件も発表されており、
そういう過剰とも言える罰金制度が大きな反発に繋がっている理由の一つでもあります。
また、早々に偽のPass sanitaire (衛生パスポート)が300ユーロで売買されているようで、
それもまた驚きです!
私自身薬を飲んだりやワクチン接種などはなるべくしたくない人なので、反対する人たちの気持ちも十分わかるのですが、同時にヒステリー的に「ワクチンを接種している奴らは馬鹿だ、騙されている!」というのは違和感を感じています。
というのもこういう風にすぐに言う人たち自身、何もわからずに煽られてヒステリーになっているだけなのも事実。
私はこの分野で専門家ではないので、義務化に賛成でも反対でもありません。
ただただ、ワクチンの有効性、および危険性についての最新情報を常に集めつつ、あくまで慎重に自分のための選択をしていくしかないと思っています。
個人的に私もワクチン接種はできればしたくないのが本音です。
しかし旅行したりするにもワクチン接種の義務が国際的な流れになってきていることもあり、仕事や行動の妨げになる事は避けたいのでワクチン接種することに決めました。
ただやはりワクチンの副作用を予防したい、最小限に抑えたいので、一層今まで以上に食事や生活習慣といった基本的な事を気をつけたり、体力をつけていく事に目を向けようと考えています。
ワクチンを受けない自由があるのであれば、ワクチンを受ける自由もあります。
またこれがワクチン接種が進まなかったことで結果的にまた感染者が増えて第4波が来れば
(政府のここ数日の発表によると、フランスは第4波に入りつつあるともいいます。)
それはそれで「なぜワクチンを義務化しなかった!」「政策ミスだ!」とデモや批判を起こすであろうのがフランス人。
いずれにしてもデモや反発は「どういう方向になっても」無くなることはないでしょうね。
下記、在仏日本大使館からの演説内容日本語翻訳概要です。
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0 冒頭
(1)医療従事者の貢献や国民の公民精神により、感染症の状況をコントロールし、生活を取り戻すことができている。1日の感染者数が最大3万5千人であったのに対し、この数週間では2000人以下に抑えられており、入院者数も死亡者数もこの一年で最も少ない数値である。また、2020年3月以降、学校閉鎖期間は合計で12週間に抑えられている。2021年の経済成長率は6%が見込まれている。これまで保護と自由のバランスを追求してきたことは正しかった。
(2)しかし、海外領土を含む仏全土において、感染が再び拡大している。デルタ株は従来株の3倍の感染力を有しており、今何か措置を講じなければ、8月以降に入院患者数が再び増加することになる。そのため、今夏を「ワクチン接種のための動員の夏」にしなければならない。
1 一部の業種に対するワクチン接種の義務化
(1)介護者か非介護者であるかにかかわらず、病院、クリニック、高齢者施設、障害者施設で働く全職員、また、施設や家庭内で高齢者や脆弱な者と接触する専門職及びボランティアに9月15日までにワクチンを接種することを義務付ける。
(2)9月15日以降に確認がなされ、該当者でワクチン未接種の者には制裁がなされる。
2 その他の国民のワクチン接種
(1)その他の国民にワクチン接種を義務化することはしないが、ワクチンをすぐに接種するよう推奨する。60歳以上の者や脆弱な者は最もリスクが高いため、特に推奨する。
(2)新学期から、中学生、高校生、大学生ために、学校施設においてワクチンキャンペーンが実施される。
(3)1月や2月にワクチン接種をした者の抗体や免疫が低下するため、9月初旬からこれまでと同じシステム及び条件下で新たにワクチンが接種できるようキャンペーンを実施する。
(4)ワクチン接種が増加しても、用心し、感染予防対策を継続するよう呼びかける。
3 緊急事態宣言等
(1)13日の閣議において、マルティニーク及びレユニオンにおいて緊急事態宣言がなされ、夜間外出禁止令が発出される。
(2)仏本土においては、感染の拡大(発生率200人/10万人超、入院増加)により各県が個別に判断する場合を除いては実施されず、よりシンプルな措置がとられる。つまり、全員に制限を課すのではなく、ワクチン未接種の者に制限を課すことである。
4 水際措置の強化
今週から、感染リスクの高い国からの渡航者に対する水際措置が更に強化され、ワクチン未接種の者に対しては隔離が義務化される。(※国名は発表されず)
5 衛生パスポート(pass sanitaire)の適用範囲拡大
(1)7月21日以降、50名以上が集まる娯楽及び文化施設で、12歳以上の者に対し、ワクチン接種証明か陰性証明の提示が求められる。
(2)関連法案が採択され次第、つまり8月上旬以降に、カフェ、レストラン、大型商業施設、病院、高齢者施設、医療社会施設や、長距離移動の航空機、列車、バスにおいて、顧客・利用者・職員にかかわらず、ワクチン接種証明か陰性証明の提示が求められる。
(3)感染状況次第では更に適用範囲を拡大する可能性も排除されない。
6 PCR検査の有料化
秋以降に、処方箋なしでのPCR検査を有料化する。これは、複数回の検査の推奨よりもワクチン接種を推奨するためである。
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